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【開催レポート】作戦会議(実践ふりかえり)を実施しました!

2023年11月25日(土)10:00-12:30@zoomにて、作戦会議(実践ふりかえり)を開催しました。 
「STEP4  参加者が実践し、その経験を持ち寄って学び合う ー作戦会議1ー」をテーマにした今回は、10月に開始した現地ワークショップからはじまった4つの問いのグループでの話し合いを踏まえて、改めて各チームの課題設定が明確にしていきました。

今回は、チームで話し合った内容を共有することで、新たな気づきや、今後の具体的な課題が見えてきた時間となりました。

《開催概要》
開催日:2023年11月25日(土)10:00-12:30
参加者:12名
講師:3名
広石拓司 氏(株式会社エンパブリック)
新  雄太 氏(東京大学大学院工学系研究科特任助教)
船木 成記 氏(元長野県参与・一般社団法人つながりのデザイン代表理事)  
事務局:長野県地域振興課、(株)エンパブリック

1. はじめに

まずは、チェックインとして自己紹介や10月以降各チームのグループごとに話した内容を振り返っての感想をシェアしました。

「自己理解、共感・承認」グループ
・ファシリテーションは結局はスキルではなく、自分の居住まいや在り方、自分のマネジメントが重要なんだと思った。
・ファシリテーターとしてというよりも、日頃自分の目の前で起きていることの延長にあることなんだなということをすごく感じた。
・ファシリテーターの質もピンキリで参加者が学びが減ってしまっている現場に出会い、本当の意味でのファシリテーターを増やさないといけないと思っている。
・突き詰めていくと、結局どのグループも同じところにいくと思った。「承認と共感」は大事さが分かる一方で難しさを感じた。

「居酒屋以上ワークショップ未満」のグループ
・自分が敢えて発言しないという立場を体験してみて、発言しなくても積極的に参加している人もいることに気づいた。
・居酒屋では”いい子”しなくて良いが、ワークショップになるといい子を演じがちだと感じた。
・居酒屋とワークショップの間にある隙間の「雑談」が大切なのでは思う。
・無闇にいろんな話を聞きに行くよりも、課題を持ったで聞きに行ったり、流れを読むような視点を持っていると、地域の声をキャッチできるのかなと思った。
・ワークショップになると話をしたくてもできないが居酒屋ならできる、という人たちはどういう人たちなのかを話し合った。

「森も木も見る」グループ
・言語化されていなかったことが言語化されたことで、意識できるようになった。
・ずっと同じことを悩み続けているんだなということに気づいたこと、これまでこんなに真剣に話す機会がなかったので、得るものが多かった。

2. 問いのチームからの共有

次に、10月からの約1ヶ月の間にどのような話し合いを行ったのか、それを踏まえ、これから長野県で「対話と共創」を広げていくためにどのような課題にアプローチしたいと思ったのか等について、4つの問いのチームから共有がありました。

問いチーム①「木(一人ひとりの思い・幸せ)も見て森(まちの課題・幸せ)も見るには、どうしたらいいだろう?」


■ MTGで出てきた意見・問題意識
・「属人的」「活性化」「公民館する」などそれぞれの立場で自然に使っている言葉も受け取る人にとっては全くイメージが違うという経験がある、イメージできる言葉をデザインしていくことが大事なのでは?と思っている。
・世代を超えた人たちが共感できる共通言語はなんなのか。
・地域を繋げていくには共通言語がないと分かり合えないのでは。
・世代や業界の言葉の違いが対話の壁になっているのでは。
・共通言語というのが大事だという話になった。
・それぞれの概念がものすごく違う。

■ アプローチしたい課題
・人々が参加しやすくなるチラシのデザイン、言葉の選び方とは? 
 →綺麗であれば良いわけでなく、行政のデザインの方が安心感があるとも言えるし、逆にめんどくさいとか、気が重いとかといった印象も受ける。

■ これからのアクション
・長野県民がひっかかる言葉を探すワークショップをしてみる
・ワークショップの宣伝用のチラシの作成

■ 他メンバーからのコメント
・コメント・チラシを作ろうとするとつい自分の価値観や世界観の言葉で書いてしまうが、「ターゲットによってチラシや宣伝の言葉を変えることが大事」ということが気づきだった。


問いチーム②「対話やワークショップへの参加に感じるハードルとは? ~「居酒屋以上ワークショップ未満」の間には何がある?」



■ MTGで出てきた意見・問題意識
・そもそも居酒屋のように集いやすい空間と、ちょっと敷居の高いワークショップを繋ぐ場はどのようなデザインなのか。
・居酒屋とワークショップは対極にある。ワークショップとは「剛」で表され、吸って吸ってお腹いっぱいになってしまう要素があるのに対して、居酒屋とは「柔」で表され、吐き出す場所である。その間を繋ぐ場所をどうデザインしたら良いかがテーマ。
・この場のデザインとして「雑談」というのがとても大事である。
・ワークショップが「(準備なしで)整理されていない状態で参加して、言葉を磨き込める場」となるともっと参加しやするのでは。

■ アプローチしたい課題
・参加者が納得できる「場のルール」を設定するためには?
・「ザ・ワークショップ」ではなく、もっとラフに参加できる場をデザインする方法はどのようなものか。
・ワークショップだけを成立させるのではなく、成立させるための関係性を深める周辺のデザインをどうしていったらいいか。

■ これからのアクション
・ワークショップのハードルやルール、暗黙知の見える化

■他メンバーからのコメント
・コメント・チラシを作ろうとするとつい自分の価値観や世界観の言葉で書いてしまうが、「ターゲットによってチラシや宣伝の言葉を変えることが大事」ということが気づきだった。
・「気楽に楽しく話して、一個学びがある場」を作るために、環境やルールをどうやって作ったらいいのか?
 - 「気楽に話す場」と「目的のある場」の両方を自覚した上で、自分で選べるようになることが大事なのでは?
・本当はワークショップ的なものをやりたいけれど、参加者が集まらないので、結果的に居酒屋やスナックなのかなと思った。しかし、ハードルを下げれば下げるほど、本来やりたかったワークショップ的なものをつくる重要な要素が欠けていくと思う。参加のハードルを下げるために削ぎ落としていい部分と、残さなきゃいけない部分とを、充実させていく話し合いができると面白いと思った。
・スナックのママというのはもしかしたらファシリテーター的位置でをコントロールしているというか、相手の言いたいことを聞き出したいことや共感したりするので居心地が良いのではと思った。

問いチーム③ 「ファシリテーターに必要な自己理解とは?」
※ 問いチーム④「ファシリテーターは「承認と共感」を関わる人にどう届けるか?」と合同でMTGを実施


■ MTGで出てきた意見・問題意識
・他者と関わることによって、自分のことがわかるとすれば、自分自身のことを理解するには、人とコミュニケーション、人と話さないといけない。
・3年間地域の交流づくりのファシリテーターをやってきたが、楽しかったからいいよねという結果でいいのか、3年間ただ住民を巻き込んで、わちゃわちゃしただけってなっているのでは?このまま終了で良いのかと感じている。
・ファシリテーションやっている時は自分のことが見えていないので、他の人からファシリテーションを見てもらったり、振り返ることで自分が何を感じていたのかがわかる?

■ アプローチしたい課題
・ファシリテーションにおいて、ゴールや目的に近づけようとしたり、着地しようとするなどの自分がいる。役割や責任などの負担が多いと、聞いていなかったり、共感できていなかったり、承認できていなかったりしてしまう。
・自分の中にどういう軸があるか、何か軸を持つことが対応のヒントになるんじゃないか。そのプロセスを経ると自然に承認や共感などをしているのでは。

■ これからのアクション
・坂上さんが主催している会を見学して、落とし所やどこでどういう感情になったのか振り返る。

■他メンバーからのコメント
・ファシリテーションは「認知」「判断」「実行」の繰り返しなのではないかと思うので、第3者の視点から見てもらってフィードバックをもらえると自己理解につながると感じた。
・目的よりプロセスとあったが、確かにファシリテーターとしての自己理解とか自己成長とか場の熟成という意味ではプロセス自体が目的になるのは良いと思う。一方でワークショップを継続していくとか、参加している人たちが成果を感じているのは大事だと思う。コミュニティの質をみんなで上げたいというような、意識を持ってもらわないと成立し続けないと思った。
・振り返りシート欲しい。こういうポイントで見るといいよ、という、自分を見返すときに何を軸に自分を見返したらしたらいいのか、ポイントが見えるとヒントになる。


3. 講師からのコメント

続いて、地域で活動の実践をおこなっている方から、活動の紹介を活動する上で感じていることをご紹介いただきました。

船木 成記 氏

・人は関係性の動物なので、自分の役割や存在は他者との関係の中で位置付けられていくとなると、聞き合う関係性をどう作っていくかというのもポイント
・自己理解、共感承認のチームで気になったのは、エンパシーの概念について。「自分はそのこと自体は理解できないが、あなたがそう思ってそう行動するのは理解できる」とい考え方。みんながそう思ってくれると対話や議論が進む。
・人と人との間に学びがある。自分のことは自分ではわからない。人を通じてそれの反射でわかる。自分の存在意義や役割は誰かの関係性の中でわかると言える。
・自分ですら思っていないことを問いかけられて出てくるという、そのインタラクティブな関係というのも実は大事。
・インサイトという概念がある。たった一つのある呟きが未来を作る。それに気づけるかが重要なポイントだったりする。それを問いかけられるか。
・雑談の雑とは色々なものが入っているという意味。いろんな人が混ざっているということ。大雑把という意味ではない。多様性とかダイバーシティーの意味を持っている。
・一回一回の場をどう回すかではなく、連続的な関係性をどのように蓄積していくのかということ。

新 雄太 氏

・自分に相手に関心を持つことに尽きるのかなと改めて思った。
・聞くことによって相手が生かされ、自分も話すこと、聞いてもらうことによって、関わることによって気付かされていく。その輪が広がって循環しあっていく、その状態が地域にあるといいと思った。
・話者、語り手というのは聞き手によって生かされていく、よく聞いてくれることで心が開いていって、話すこと自体が楽しくなっていく。そういうのはワークショップの一場面一場面にもあって然るべきだし、地域に向き合う時の聞きがき一つとっても日常的なものも含めてそうあってほしい。
・交流することで鏡でお互いに気づいて、目が開いていくというか、地域に対する姿勢が変わっていくような、そういう効果があるという。
・巡り巡った世の中になるといいなと思う。根本にあるのが、関心を持って聞き合える環境にどうしていくか、地域がそういう場になるにはどうしたらいいかというのがこのチームの一つのテーマかもしれないと思った。

広石 拓司 氏

・ファシリテーションをやっているときは自分のことが見えないので、同じファシリテーターの人に見てもらうことで気づけることはある。
・お互いに見たときに、あの時はどういう気持ちだったの?とか、そういうコミュニケーションをしてみると、対話と共感、自己理解が深まる。
・自分一人では客観的に見れないし、後で聞いてもらえるというのも大事。
・もし見学可能な会があればそれもまたシェアしてもらえればと思った。
・どのチームも共通して、改めて向かい合って言語化していくことが大切になっていくと感じた。


5.まとめ

今回は、各チームで深めた議論の共有を行い、改めて地域づくりを進めていくにあたって今回のそれぞれの「問い」の意味を言葉にする時間になりました。

ファシリテーターとして地域づくりに関わっていく中で、つい「これってどうしたらいいんだろう?」と思ってもその疑問に向き合う機会は少ない中ですが、これから地域づくりに関わる人たちのヒントとして残しておくためにも今回のプログラムの中でそれらのノウハウが見えてきたら良いなと思います。

次回のプログラムは1月18日です。

*今回のチームテーマでもある「探求したい問い」の背景や紹介は下記ページからご覧いただけます!