2024年9月28日(土)より、今年度のまちむら寄り添いファシリテーター養成講座で実施する4地域(上田市・木曽町・佐久穂町・駒ケ根市)でのフィールドワークがスタートしました。
それぞれの地域ごとにチームを作り、フィールドワーク先地域の現状のインタビューを通して受講生自身の課題と照らし合わせながら、地域でよく起こりがちな課題に対する解決策・ヒントを考えていきます。
上田チーム
「地域の未来を考える場づくり」を行っても、地域の現状の漠然としたイメージ、参加者の見えている現状から話しあう場になったり、思い付きのアイデアを言いっぱなしになったり、難しい課題は後回しにしてしまったりしてしまいがちです。
「地域の現状にしっかり向き合い、構造的な課題を理解した上で、多様な主体が自ら積極的に持続可能な地域づくりに参加していくプロセス」とは、どのようなことなのか?どうすれば実践できるのか?
ゼロカーボンをきっかけに、地域を見直し、これから必要な変化を共に考える仲間を広げていった「上田リバース会議」から学びます!
*開催日時
2024年9月29日(日) 13:30~16:00
*お話を伺った方
藤川まゆみさん
*インタビューからメンバーが学んだ、気づいたこと
・人口減少もデータを直視することが大切
・気候変動のデータは見ても、福祉のデータは見ていない。一歩離れたところから地域を見ると、こことここがつながっていると気づくと面白そう。
・それぞれの分野で熱い人はいるが、その共通の背景にデータがある。
・参謀役的な関わりをしているが、その立場でできること。ふわっとするのではなく、データを扱い、俯瞰的に見る。探究の授業のように。オブザーブの方と一緒に説得力のある言葉を選ぶ。ディスるのではなく、その方の感情を大切にしながら伝えることの大切さ
・狭い視野ではなく、全体のデータが入っている
・まちづくり・エネルギー・脱炭素 脱炭素のためにもまちづくりをしないといけない 同時に進めること
・まちなかデザイン会議 ポジティブ編 妄想を出してもらう
妄想することがすごく大切
*メンバーの心に残った言葉 (その方の発言を、そのままの言葉で記録しよう)
・痛い現実を見る
・まずデータを見ることだ
・やりたい人とやるのが大事
・構造的な根っこを押さえて展開する
・データを広げて、上から俯瞰してみる
木曽チーム
「建物」は、役場、公民館、学校などの機能を担うために建てられますが、地域に住む人にとっては思い出の風景であり、誰かとの思い出が残る場所という意味もあります。
例えば、学校が廃校になった時に、住民の思いを無視して建物を壊す、全く別の用途に使うことは地域の文化を消すことにつながるかもしれません。逆に、新しい建物は地域にどう根付いていけるかによって、住民にとっての価値も変わっていくでしょう。
「建物は住民と共に生きている」という視点から建物と住民のつながりを見直すことによって、土地の文化を活かす地域づくり、建物を組み込んだコミュニティデザインを考えていきます。
*開催日時
2024年9月29日(土) 10:00 ~ 16:00
*概要
チームメンバーの自己紹介、そしてテーマの核となる木曽おもちゃ美術館(旧黒川小学校)の見学後、同館長に対して同美術館の設立に纏わるインタビューを行いました。
*主な発言
先ずは、施設の見学を通じ、山間部ならではの古き農村の暮らしの様子とともに、木曽檜を活用したおもちゃで遊ぶ現代のライフスタイルの様子を拝見しました。
続いて、木曽おもちゃ美術館の成り立ちやボランティアによる運営の様子、地域の方々との関わりについて、館長にインタビューを行いました。
「なぜ、築90年以上にもなる旧黒川小学校を利活用することによって、これまで関わってきた人々の想いを繋いでいくのか」
先ずは同美術館の前身となるふるさと体験館やNPO設立の経緯を掘り下げながら考えていきます。
*今後の活動
次回は、前身となるふるさと体験館やNPOの設立の経緯について、当時、行政の立場で関わった方へのインタビューを行います。
佐久穂チーム
「地域に寄り添う」ことは、いざ実践しようとすると、何から始めたらいいのか難しく感じてしまうでしょう。
特に、外から地域に入る人は地域の勘所もわからず、足が止まりがちです。佐久穂町の「集落の話の聴き手」を増やす活動は地域の文化を残すためだけでなく、UIターン者が地域との関係を深める機会にもなっています。
地域のこれからをつくる活動と地域の経験はどう結びつけることができるのか。地域の人の声を「聴く」ことの地域づくりにおける可能性を実践方法も含めて学びます。
*開催日時
2024年10月12日(土) 10:30~16:00
*概要
1.チームビルディング
2. 船木さんレクチャー 聞き書きとは?
3.デモ 聞き書きのポイント
4. 副島に聞き書きをやってみよう
5. 次の期間に向けての計画
*インタビューからメンバーが学んだ、気づいたこと
聞き書きで大事なことは
①大きな問いは持っていくこと
②しかし仮説を持ってはいけない(誘導的になってしまう)
③探査的に聞く。相手の関心に合わせる(それでそれで?と聞いていく)by船木
場を共有することが大事で今回はこのメンバーで場を共有できた。
駒ヶ根チーム
子どもを支援する活動や多世代交流の場づくりに取り組む人が増えています。しかし、参加者や運営協力者を集めるのに苦労している活動も多くあります。
そのような活動をしていると、つい「子どものために」「高齢者のために」と力が入って、「しなきゃいけない」気持ちに自分自身が追われてしまいがちです。しかし大切なのは「支援するー支援される」ではなく、子どもも、高齢者も、関わる大人もそれぞれが場を楽しめていることではないでしょうか。
そのような一人ひとりが活き活きでき、良い関係ができる場をファシリテーションするとはどういうことなのか、現場を体験しながら考えていきます。
*開催日時
2024年9月28日(土) 10:30~16:00
*概要
1.自己紹介
2.まねきnekoの活動を聞き書き
3.駒ケ根市駅前のフィールドワーク
4.振り返りと今後の活動について
*インタビューからメンバーが学んだ、気づいたこと
・まねきnekoはヒエラルキー型の組織ではなくコミュニティー
・たくさんある子育てサークルとの違いは?
・このコミュニティーに人が集まるプロセスとは?
・聞き書きのポイントは自分を出さない。相手に選択肢を与え自己決定させること(させると言うのはちょっと違うかと思うが、うまく言い表せない)
・高校生や地域の人の思いをどう実現させるか?
・行政や地域の人の価値観・意識へのアプローチの仕方
*メンバーの気づき・ふりかえり
・高校生を巻き込んだ取組が素晴らしかった
・北澤ファミリーを取り巻くコミュニティーがゆるく楽しそうなのが印象的
・チームメンバーも個性的
・中心軸が大事(何を大事にするか?どういう人に集まるか?)
・コミュニティーの活動に関わるプロセスが大事
・仲間を増やすポイント
事務局より
9月から4地域でスタートしたフィールドワーク。
それぞれのチームごとにテーマも進め方も違いますが、一つひとつのテーマが長野県に限らず日本中の地域で課題になっているものだと思います。
実際の現場に足を運んで、人の話を聞いて、その中で受講生それぞれがどのような知見を自分の地域に持ち帰ることができるのか?今からとても楽しみです。