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公開イベント「今、地域の声を受け止め、次の動きにつなげるには?」を開催しました

2023年2月19日(日)13:00-16:00@zoomにて、連続講座第7回&今年度のまちむら寄り添いファシリテーター養成講座の成果共有を兼ねた公開イベントを開催しました。

今回のテーマは「信州ススム対話大ふりかえり会『今、地域の声を受け止め、次の動きにつなげるには?』」
ここまでの約半年間、受講生が講座や各自の実践を通して学んだことのふりかえりを共有しました。

当日の様子1
当日の様子2

《開催概要》
開催日:2023年2月19日(日)13:00-16:00
              13:00~14:00 連続講座第7回/14:15~16:00 公開イベント
参加者:申し込み:11名(当日参加5名)
講師・アドバイザー:3名
  新雄太(東京大学大学院工学系研究科特任助教​)
  船木成記(一般社団法人つながりのデザイン,元長野県参与)
  広石拓司((株)エンパブリック)
事務局:長野県地域振興課、(株)エンパブリック

 ミニ講演「コロナ禍の経験を、これからの地域に活かすための場づくりとは?

ここでは、連続講座を担当する3名の講師より「コロナ禍の経験を、これからの経験に活かすための場づくりとは?」というテーマで、地域における場づくりの意味とプロセスについて講演を行いました。

講師の広石氏からは、地域における場づくりの必要性について話されました。

地域で話し合いをしようと思ったとき、同じような現状を見たり、言葉を聞いても人によって解釈が違うことはよくあります。

そこで大切なのは、地域の人たちがみんなで分かち合える対話のテーマを定め、そのテーマをテーブルの真ん中において話すことです。
また、テーマについて話す際にも、その場が自分の思っていることを話しても良いと思える安全性や、お互いの意見交わし合いやすくするためのファシリテートも必要になります。


講師の新雄太氏からは、実際に講師自身が長野県内で対話の実践をしている事例から、コロナ禍で改めて地域で対話することの意味について話されました。

学生が行った地域のフィールドワークや、奈良井宿で行われている「奈良井ラボ」での取り組みなどを踏まえて、これまで地域にあったコミュニケーションがつながりが可視化されてきたと感じています。
コロナ禍で、地域の慣習やシステムについて見直したり、ふりかえりをすることで自分や地域全体で何を守っていきたいかということも明確になってきました。

地域としての方向性を話し合えるような人々のつながりがあることやこのような対話の機会ができていくことで、感染症のみならず他のリスクに対しても強い地域ができていくのではないかと思います。

船木氏からは、前の2人の講師の話も踏まえて、改めて地域における対話・ファシリテーの意味についてお話しされました。

2人の講師が話していたように、地域の中で「これってどういうことなんだろう?」「この慣習って必要なんだっけ?」などみなさんが感じてることを共有して話し合うことを通して、お互いの見えていなかった思いを知ったり、完全に理解できるわけではないけれど言葉にしてみようとと思える、ということが対話の本当の意味なんじゃないかと思います。

また、そんな対話を通して、「じゃあ、こうしてみようか」「こんなことできるよね」という発想が生まれてくることを支援しながら、人と人、人とまち、コミュニティの中で実感知を持って一歩進んでいけることを作り出していくのがファシリテーターなのではと思います。

 また、各講師からの講演の後には、3人の講師からパネルトークを行いました。

 パネルトークの中では、ニュースにも取り上げられ地域との関わり方について物議を醸した「池田暮らしの7か条」についての話題にも触れながら、地域側の立場と外にいる立場での景色の見え方の違いや、ほんの少しのコミュニケーションの工夫によって、地域と人の変わり方はいかようにも変わるということを話しました。

また、そのような立場や考え方の違う人たちの間にたち、コミュニケーションを促す存在としてのファシリテーターの意味も見えてきました。


連続講座受講生からの報告

次に、ブレイクアウトルームに分かれ、連続講座受講生から連続講座で行った実践やそこでの学びについて共有しました。
仕事で関わっている人に実際にヒアリングをしたのち何人かで話し合う会を行ったという報告や、これまでなかなか地域活動が継続できなかった理由について、地域のステークホルダーを洗い出しヒアリングを行ったという報告など、それぞれの受講生が自分の現場で行った実践について話されました。

また、活動エリアが近い受講生同士が協力しあい、地域活動の始め方についての講座を共同で行おうとしているという話も出てきました。

ブレイクアウトルームでの共有が終わった後は、全体で各グループからどのような話が出たのか共有を行いました。
受講生の報告だけではなく、過去修了生の参加者からは、この講座の後に自分なりに進めていることの話やまちむら寄り添いファシリテーター養成講座での学びが、今円滑に活動を進めることができるヒントになっているとの報告もありました。

受講生の発表の様子①
受講生の発表の様子②

  グループ対話「次に一歩進めたいことは?」

最後のふりかえりでは、またブレイクアウトルームごとに、連続講座の学びを踏まえてや、成果報告会で受講生の発表を聞いて、地域の現状、課題や問題意識について、地域の人と話し合っていること、話し合いたいこと、もっと理解を深めたいことなど、「自分が地域で一歩進めたいと思ったこと」について共有しました。

参加者からは、以下のような「次に一歩進めたいテーマ」が寄せられました。
・今回の講座を通して、周りの人がどんなニーズを持っているのか知ることが必要だと感じた。
 自分の周りでどんな場が必要と思っているかということを聴いていきたい
・小集落の終活について考えていきたい。
・自分の地域では、コロナ禍でも地域活動を止めなかった。
 なぜそうしたのか、改めてメンバーと一緒に振り返りたいと思った。
・連続講座で行ったヒアリングから、高齢者の生活の中での悩み事について当事者も交えて共有する場づくりを進めることになったので、4月に開催したい
・地域の中で「キーマン」をおさえることが大切だと感じた。今の地域の中にいるキーマンを探していきたい。
・別の地域でも自分と同じような悩み事を持っていると感じた。継続して行える別のまちの人と情報共有会を行いたい。

参加者の声(アンケートより抜粋)

◯ 村の役場で活動する立場として、行政が表に出ないで、地域の活性化が大事だと改めて思いました。

◯ 対話の場でそれぞれの話を聞き、言葉の後ろにある背景を理解した上で話してみたら、これまでになかった関係づくりができた。聴くこと、聴きあうことの大切さに気づきました!

◯ 日々の生活や業務の中でも話を聴いて相手の思いを知ることはできるし、またその思いと思いをつなぐこともできると学びました。

◯ 相手を知るためには、自己開示することも大切だと事例を以って学んだ

◯ 実際に、それぞれが行った活動からの体験談を聞けて、参考になりました。
「聞く」ことは必ずしも受け身とは限らない!