2021年12月5日(日)14:00-17:00@zoomにて、まちむら寄り添いファシリテーター養成講座2021連続講座第7回を行いました。
《開催概要》
開催日 2021年12月5日(日)14:00-17:00
参加者:当日参加23名
講師・アドバイザー:広石拓司((株)エンパブリック代表)
船木成記(一般社団法人つながりのデザイン代表理事・元長野県参与)
新雄太(東京大学大学院工学系研究科特任助教)
事務局:長野県地域振興課、(株)エンパブリック
チーム活動のふりかえり
第7回講座では、12月中にほとんどのチームがワークショップを実施するということで、改めてここまでのチーム活動のふりかえりをおこないました。
特に、よりよいワークショップ実施に向けて大切な「準備」に注目して各々チーム活動を見返していきます。
はじめに、チームごとに以下2つの問いを経て、チームメンバーのワークショップに向けた思いや、地域の視点からみたワークショップの立ち位置や意味を考えました。
(1)自分がこのWSを行う意味は?次にどうつなげる?
(2)地域にとって、このWSはなぜ必要(大切)?
受講生からは、チームで行うワークショップのその先にある未来を見据えた様々な言葉が出てきました。
・今後もなるべくオンラインの会を開催して、地元の方にオンラインに親しんでもらう場を作っていきたい。そして地域の活動でも使えるようになってもらいたい。
・(実施したワークショップを)そのまま活用するのではなく、基礎(ベース)として自分が主体者になった時に活用したい。
・外(商店街の人ではなく、お客さんなど)からの目線で商店街を考える機会にしたい。
・住民同士のコミュニケーションは大事だと思っているが、何がどう大事かは言語化できていない。
だからこそ、参加者みんなで話し合いビジョンを共有するWSが必要だと思う。
つい目の前のワークショップを準備していると、「今回のワークショップに参加者はくるのか?コンテンツはどうするか?成功するのか?」と課題に目が向いてしまいますが、
その先にどんな地域やつながりを作っていきたいのかと時々視座を上げて考えてみることで、より地域や参加者に意味のある場に繋がっていくということを改めて認識しました。
ワークショップ実施チームに聞いてみよう!
次に、ワークショップを実施した「地域で助け合いを進めるための受援力とは?」と「コロナの経験を次の地域づくりに活かすには?」の2チームから実施の感想や準備のポイントなどを聴きました。
地域の助け合いを進めるための受援力とは?チーム
《ワークショップを行ってみての気づき》
◎ スライドはプロジェクターに表示して、会場とオンライン上で一体感がでるように工夫した。
◎ 機器の設定のトラブルが出て、できなかったときの代案を考えておかないといけないと感じた。
◎ 最後のふりかえりをお願いしたら、「何を振り返るのですか」と言われた。
参加者がわかりやすい投げかけをした方がよいと思った。
◎ 10代が参加することの重要性を感じた。こういうことができるんだと感じてもらう場がすごく大切だと思った。
◎ ファシリテーターと参加者の1対1のやり取りが多かった。参加者同士が質問をしたり、もっと多角的な場の運営ができたのでは?とオンラインのメンバーが客観的なフィードバックをくれた。
《講師・アドバイザーより》
◎2人の話から本当に良いワークショップができたのだと感じた。
ハイブリッドは、現場の空気感がなかなか伝わりにくいこともあって、オンラインが置いてけぼりになりがちなので注意が必要。
◎ 画面共有など、現地では順調に進んでいるように見えてもオンライン側でうまく反映されていなかったりすることもある。
オンラインの運営と現場の連携は、事前の打ち合わせをするなど丁寧に行なっていくことが大切。
コロナの経験を次の地域づくりに活かすには?チーム
《ワークショップを行ってみての気づき》
◎ 次にやる時は、どんな参加者に来てもらいたいかを定めて声をかけていくのが大事ではないか。
◎ 自分の経験を話すというのは、思った以上にハードルが高いのだと感じた。
◎ ワークショップに参加する人は、地域の中でも積極的な人だったのではないか。
本当に困っていて悩んでいる人に届けるにはどうすればよかったのか?
◎ 自分が想定していた着地点でないところに着地したが、ワークショップは成功だと思っている。参加者の人もそれの意見を聞いて流れもいい感じだった。
《講師・アドバイザーより》
◎ こういう人に参加してくる人はアクティブな人。次は「自分の地域ではまだまだ」と頭に思い浮かんだ人で、改めてやってみるとよいのではないか。
◎ 地域活動をする人には色々なレベルがあるということが、やってみたからこそ分かったのだと思う。
◎ 今回は、大変な状況を力に変えていく人が集まった場だったのではないか。
◎ ワークショップは当初想定から脱線していい。
想定とは違う結果かもしれないが、その場にまた来てみたいと思わせることができたのは大きな成功だと思う。
ワークショップの「準備」について考えよう
話を聞いた後はチームにわかれ、グループ作業の時間を設けました。
そこでは、より良いワークショップを準備するための4つの問いを基に、ワークショップに向けた最終準備について気づいたポイントや、自分たちのチームでどのように行動していけば良いのかについて話しました。
《良いワークショップを準備するための問い4つ》
Q. “良い参加者”が集まるために必要な準備は?
Q. “良いやりとり”が生まれるために必要な準備は?
Q. “良い気づき”につながるために必要な準備は?
Q. 地域へ“良い影響”が出るために必要な準備は?
そして、チームの話し合いを経てワークショップのポイントがいくつも挙げられました。
・広報の段階でワークショップに対する主催者側の思いや、ビジョン(どんな地域を作りたいか)を共有する。
・耳だけでなく、目からも意見が入るように工夫する。(参加者の言葉を可視化する)
・参加者が話して「嬉しかった」「楽しかった」を全員が感じられる空気感を、チーム内で共有しておく。
・参加者も運営側も楽しむ
ワークショップをすでに行なったチームは今回の学びを生かして、もう一度ワークショップをしても良いかもしれないという感想もあり、それぞれが試行錯誤しながら作った場をよくしていきたいという受講生の思いが垣間見えました。
8月にほとんど0から始まったチーム活動もはや4ヶ月、とうとうワークショップの実施が目の前に迫ってきました。
講座のコミュニケーションツールであるSlackの内でもチームのワークショップの宣伝などが投稿されたり、お互いのワークショップに参加してみたりするなど、まさにチーム同士での学び合いがすすんでいます。
今年度の講座はこれで最後になりますが、年明けの講座で皆さんのワークショップの実施報告が聞けることがとても楽しみです! また、実施済みのチームも今回の学びや気づきを経て、またワークショップを作ってみたいという声が上がり、地域の中で対話の場を作っていくことがどんどん気軽になっていくと良いなと感じました。