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2022実践講座第1回を開催しました!

2022年11月5日(土)13:00-16:00@zoomにて、今年度のまちむら寄り添いファシリテーター養成講座第5期の実践講座第1回「場づくり基礎講座」を開催しました。

第1回は、まちむら寄り添いファシリテーターとして、地域での場づくりを行うためのプロセスに必要なインタビュー、場づくりの方法、場でのファシリテーションの考え方や動き方を学ぶ講座として実施しました。

当日の様子

《開催概要》
開催日:2022年10月23日(日)13:00-16:00
参加者:12名
講師・アドバイザー:広石拓司((株)エンパブリック)
事務局:長野県地域振興課、(株)エンパブリック

 地域に広げたい話し合いのプロセス

まちむら寄り添いファシリテーター養成講座では、4年の講座をかけて、地域の中での対話やファシリテーションのあり方について考えてきました。
そこからわかったことは、地域が動きはじめるきっかけをつくるファシリテーターにとっては、「何(どんな場)をつくるか」以上に、「どうつくるか?」が大切であるということでした。

ファシリテーター自身がいくら鋭いテーマを見つけて自分で場を作っても、それがみんなの話したいことでなければ地域に寄り添った場にはなりません。
そこで、
・まずは自分の問題意識や思いを基点にテーマを見つける
・地域の皆さんが考えていることを聴き、それを元にテーマを磨いていく
・そこで話したことが地域や一人ひとりが一歩進むためのヒントになっていく
このようなポイントを踏まえて生まれたのが、画像の「話し合いのステップ」です。

この基礎講座では、この話し合いのステップのポイントを体験しながら、地域や人に寄り添う対話のつくり方を学んでいきました。

信州に広げたい地域での話し合いのステップ

 講師による基礎講座「守り立てる(もりたてる)場づくり」

講義資料より
ファシリテーターとは?

ファシリテーターを日本語で言うと「場を守り立てる役」。

意見が出てなかったり、黙ってしまっている時に、つい「やる気がないんじゃないかな」と判断してしまうこともあるかもしれない。

ただ、ファシリテーターは、そこでハードルになっているものは何かを見ることが大切になってくる。
まちむら寄り添いファシリテーターも、地域の人たちが思っていることを外に出せるようにするために耳を傾けたり、場を作っていくことが大事。

そのように、話したいと思っていても難しいと思っていたり、自分でいいのかなという不安感を持っている人が安心して立てる場所を作るという意味で、「盛り立てる」ではなく、「守り立てる」ということがキーワードになってくる。

また、安心できる場というのは、ゆるさということだけではない。
価値観も背景も違う参加者が、場で言いたいことが話せるような設計やコミュニケーションをどのように作っていくか?ということを考える必要がある。

講義資料より

さらにファシリテーターにとって大切な役割は「問いかける」ということ。


会社の会議など一つの答えや最適解がある状況では対話は必要ないが、地域の中には答えがあるわけではない。

そこでは、「良い問いかけ」をすることがポイントとなる。
一方的に話をすることを促すのではなく、良い問いかけをして「これについてどう思う?」ということができるといろんな人が話すことができるようになる。

そうして様々な人が問いに対して意見を話す中で、他の人との違いや自分の意見のユニークさが見えてくる。
そして、その違いを活かして一緒に何かしてみようという動きにつながってくる。

聴いて話す対話のイメージ

対話の基本は「聴いて、話す」にある。
つい良い対話の場づくりというと、巧妙なワークショップを作らなければと思われることもあるが、テーマや問いかけの元にそれぞれの経験を聴いて、自分のことをことが一番の基本になっている。

そのように、地域のいろんな人がお互いに聴き合う関係をつくるまちむら寄り添いファシリテーターを地域に広げていきたいと考えている。

だからこそ、ファシリテーターにとして「聴く」ということについて実践しながら、丁寧に考えてほしい。


ワーク1「ペア・インタビューをしよう」

講師の講義を経て、みなさんそれぞれが「聴く」を実践してみるために、ペアインタビューを行いました。
ペアインタビューでは、来年始めに実践を予定している「ススム対話」で扱う4つの質問を議題にして、これらを10分ずつ聴き、話しました。

当日の講義資料より



インタビュー後の全体共有の時間では、

・深く話を聴いてみることで、違う立場ながら共通点が見えてきた

・地域に対して封建的なイメージがあったが、実際の取り組みやそこで感じていることを聴くことで自分の中でイメージが変わった

など、自分が改めてこのテーマについて考えてみたことで気づいたことを共有される声が多くありました。

全体共有の様子


ワーク2「共有できる問いを作ろう」

後半では、ペアインタビューで個別具体的に話を聞いて受け止めるだけではなく、同じような関心事項を持った人と一緒に共有できる「問い」を作っていくことが大切になります。
そこで、インタビュー内容を元に、グループに分かれて「問い
」をつくるワークを行いました。

当日の講義資料より

グループに分かれて話した後に、全体共有を行い全体で問いのシェアとブラッシュアップを行いました。

グループ1:地域離れから地域に参加する人を増やすには?
グループ2:隣近所のつながりを活性化するには?
グループ3:世代や立場を超えたつながりを生み出せるイベントは?

問いのブラッシュアップをする際には、「具体的なキーワード」がポイントになるとの話が出ました。
机上の空論にせず地に足をついた対話を行うためには、問いにも考えるとっかかりとなる具体的な例やシーンを入れることが大切です。

・「地域に参加する人を増やすには?」
 →「地域離れ」という具体的な現状のワードを入れることで、理想論ではなく現状と比較しながら具体的に話すことができる

・「つながりを活性化するには?」
「隣近所」という具体的な対象を定めることで、それぞれが実際の人をイメージしながら話すことができる

・「世代や立場を超えたつながりを生むには?」
「イベント」という手段を決めることによって、「イベントを行う」という抽象的な解決策から一歩深めた具体的な議論ができるようになる


地域に暮らす一人ひとりの思いからはじまる対話をつくろう!

公開講座では、講師の講義ではなく、実践的に対話を進めていくためのプロセスを体験してみました。
今年度は、地域の中で思いを聞き、テーマを決め、話し合っていく対話を「信州ススム対話」と名付け、この対話を一緒に地域で広げていく方々を募集しております!
非日常な対話の場に限らず、仕事や活動、家庭などの暮らしの中で、人々が思いを分かち合い、話し合う対話を一緒に広げてみませんか?
 

信州に広げたい地域での話し合いのステップ(信州ススム対話)


今年度のまちむら寄り添いファシリテーター養成講座では、皆さんが自分の地域で対話を始めるためのステップに応じた講座を複数ご用意しております!
連続講座として受講を希望される方は、下記ページをご覧ください!

詳細はこちら!
https://nagano-machimura.net/kouza2022