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まちむら対話と共創チャレンジ2023 実践プログラム 探究テーマ

ファシリテーターに必要な自己理解とは?

<背景>

まちむら寄り添いファシリテーターは、地域の人に寄り添って話を聴き、共に考える対話の場をつくり、新しいことを生み出していくことを目指しています。そのような取り組みには、地域の多様な人と出会い、話を聴いていくことが不可欠です。

地域で話を聴く相手には様々な人がいます。
子育てや介護などで悩んでいる人、地域づくりで苦労してきた人、行政や地域活動に不満を持つ人、対話が好きな人や苦手意識を持つ人、ポジティブな人やネガティブな発言を繰り返す人、声の大きい人や声を出せない人など、様々な人が地域にはいます。住民と企業、行政、NPOなど所属や立場によって視点や物事の捉え方も違っています。良い運営方法の考え方、意見の基にある価値観も多様です。
地域でのファシリテーターは、相手に丁寧に接しようとすればするほど、実に様々な感情や価値観、思惑と向き合うことになります。それには自分に合うものも、苦手なものや反発を感じるものもあるでしょう。

また、ファシリテーターが安全安心な場をつくりたいと考え、「発言を否定しない」を場のルールとしても、声の大きい人が発言に否定的な意見を言うことで場が凍ってしまうことや、波風を起こさないように参加者は無難な発言に終始してしまうこともあります。 ファシリテーターが思うようにいかないことも多くあります

ファシリテーターをしていると、嬉しいことも幸せを感じることもありますが、緊張や不安を感じたり、違和感や否定的な気持ちを抱いたり、イラついたり、プレッシャーや面倒さなど様々なストレスを抱えるものです。また、思い込みや「べき論」に縛られていることに気付いたり、力不足を痛感することもあるでしょう。このようにファシリテーター自身の中にも、多様な気持ちや思いが生じています。
地域の人に寄り添うファシリテーターには、地域の人の思いや気持ちを大切にするだけでなく、自分自身の気持ちや思いにも向き合い、しっかり受けとめることも大切ではないでしょうか。それを自覚することによって、地域の人との深い共感につながったり、場の参加者が感じていることに敏感になることもできるのではないでしょうか?

<探究したい問い>

地域で寄り添う対話を進めるには、ファシリテーターが自分自身の考えや思い、感情にどのように向き合っていけばいいのか。ファシリテーターに必要な自己理解とは?が探究テーマとして浮かび上がりました。

地域でファシリテーターをしている時にどのような感情や思いを抱いているのか。困難な状況や相手にどのような気持ちや姿勢で向き合っているのか。また、困っている人の気持ちを深く理解し、共感しあえるために、また、多くの人が楽しく積極的に参加できる場をつくるために、どのようにファシリテーターは自分と付き合っていけばいいのか。ファシリテーターそれぞれの現場での体験や出来事を持ち寄り、一緒に考えてみませんか?


<探究のプロセス>

23年10年14日 探究グループがスタートしました。

23年11年13日 チームMTGを実施しました。(共感・承認チームと合同で実施)
       チームメンバーがファシリテーションをしながら悩んでいることを共有しました。

23年11年25日 実践プログラム STEP4 作戦会議1(実践ふりかえり)
       「チームの問題意識」「アプローチした課題」「これからのアクション」を紹介
        し、講師や他のメンバーからのコメントを踏まえて、改めてチームの問題意識を
        整理しました。
       
        ファシリテーターが場の中で行っている「認知」「判断」「行動」を分析すること
        で、ファシリテーターの自己理解にも繋がるのでは?と考えました。

23年12年5日 チームメンバーがファシリテーターを担当する地域活動のふりかえり会をチームで
       見学しました。

23年12年11日 チームMTGを実施しました。(共感・承認チームの合同で実施)
       25日のふりかえり会を踏まえて、ファシリテーター目線でのふりかえりを行いまし
       た。無意識でおこなっていたさまざまなアクションをメンバーと一緒に紐解いていき
       ながら、ファシリテーションで必要な要素を洗い出しました。

24年1年9日 チームMTGを実施しました。(共感・承認チームの合同で実施)
       前回のMTGから、ファシリテーター自身が自分の実施した場をふりかえるため
       には、いくつかのポイントがあることがわかりました。

       また、うまくいった場よりもうまくいかなかった場にファシリテーターのふりかえり
       のポイントが見えてくるということに気づき、メンバーが場づくりの経験の中で
      「うまくいかなかったエピソード」を持ち寄り、分析することになりました。

24年1年13日 実践プログラム STEP4 作戦会議2(実践ふりかえり)
       今回のチームでの探求活動について、改めて地域にどんな学びを還元できるのか?
       地域のファシリテーターとしてできることは何か?をふりかえりました。

       地域ではいろんな思いを持った人の声が錯綜しているので、そんな中でコミュニケー
       ションを生み出すためには、ファシリテーター自身も自分の気持ちや軸、大事にして
       いることをしっかりと認識しておくことが大事だと確認しました。

24年1年22日 チームMTGを実施しました。(共感・承認チームの合同で実施)
       1月13日チームでの話し合いで、メンバーが場づくり・ファシリテーションをする中で、
       感じたモヤモヤや「うまくいかなかった」エピソードを共有しました。

       また、エピソードを踏まえて、ファシリテーターが場を企画し、作り、ふりかえるために
       チェックするためのツールを作成することになりました。

24年1年27日 チームMTGを実施しました。(共感・承認チームの合同で実施)
       チェックリストの項目のブラッシュアップを行いました。
       「事前準備」「マインドセット」「振り返りと次回にむけて」という3つの項目で、
       それぞれのメンバーが、自分が場を作るときにチェックしたい項目を追加しました。

24年2年5日 チームMTGを実施しました。(共感・承認チームの合同で実施)
       チェックリストの項目を整理し、シートの形にまとめました。
       メンバーからは、他のファシリテーターも使えるような汎用性を高めるために
       ワードの選び方や表現について様々な意見が出てきました。

24年2年17日 チェックシートの作成
       チェックシートが完成しました。

24年2年18日 公開講座「地域と共に活動するファシリテーターが大切にしたいことは?」
       最終回となる公開講座では、チームで行った探求活動で見えた「地域に還元できる学び」
       を共有しました。



探究テーマ一覧